◆水問題を考える(第1話)

 日本には昔の漢字も含めて数えると、数え切れないほど「さんずい」のつく漢字があります。日本が昔から水に恵まれているわけは、四方を海に囲まれ、あらゆる方向から湿気をおびた風が吹き込み、それが山脈にあたって慈雨をもたらします。こんなに雨が多い国は恐らく世界中でわが国ぐらいではないでしょうか。

 宇宙から見れば碧い水の惑星といわれる地球ですが、水が豊富に存在している場所と全く存在しない場所に地球上にある淡水は偏って存在しています。それは、碧く見える部分はほとんど海水だからです。海水自体は生き物を育む大切な水ですが、塩分が溶けていて、私たちには飲むことができません。

 昔から日本は、まさしく、「さんずいの国*=水の国」だったのです。また、今後もそうありたいものです。

 水問題の話でよく出てくる「14」、「2.5」、「70」、「0.01」の4つの数字があります。想像もできませんが地球上に存在する水の総量は14億立方キロメートルもあります。でもほとんどは海水(97.5%)です。 私たちが生きるために、生活用水や飲料水などとして利用する淡水は、たった「2.5」%にすぎません。

 しかも、およそ70%は南極などにある凍った水です。また、凍っていない水のほとんどは地球深くにある地下水といわれています。人間も含めて、陸に生きているあらゆる生物が利用できる「水」は、浅い所にある地下水と、川や湖などの水だけです。実際に、私たちが使える水は、2.5%のうちの「0.01%」しかありません。

 こんな数字がある本に載っていました。「地球の水が1.5リットルのペットボトル1本分だとすると、人間が使える水の量は、目薬1滴分」だそうです。しかも、この目薬一滴分は、地球上に偏って存在し、しかも水の汚染が深刻になっています。

(*:推測値ですから、多少の数値が変わることもあります)。

(環(わ))